DAY3 Final-part2

「トラブル」





チーフメカの伊藤さんと最終打ち合わせここからはドライバー目線でお届けします。

レース開始から45周経過。105周のレースで、トップのポルシェはちょうど半分にさしかかったところ。

この1時間半で3回トイレに行ったし、ヘルメットもグローブもして準備万端……あれ、ドライバー交代ってどーやるんだったっけ???

4ヶ月ぶりで忘れた。

なぜかハラを突っつかれるオレ。どこのチームでもこんなカンジです(笑)。まずドアを開けて、無線のコードを外して、ピス兄シートベルトゆるめてくれてるといいな〜。その前にドリンクの線を外さねーと。えーと、今年はボトルってゆーか水筒ごと入れ替えるから、それはチームスタッフにやってもらって……。

うわーもうピットイン!


入ってきた〜!


そのときピットで応援してくれてたみなさん、オレの頭の中でこんなことが渦巻いてるとは思わなかったでしょ。どれだけ落ち着いてるように見えても、乗る前は常にこんな
心の小宇宙(コスモ)を展開してます。

チューブのコネクタはだいたいこんな構造です。

よし、とりあえずドアを開ける、開いた! 無線を抜く、抜けた! ドリンクチューブが……ぬ、ぬ、ぬ、抜けない! 抜けないどころか、コネクターの輪っかをどっちに動かすか忘れた。 うむむ! これはオレに対する挑戦だな!

ブチッ。

抜けないからチューブちぎっちゃった(笑)。オレ用ドリンクがあるから、ピス兄のは切っちゃっても大丈夫だもーん。

さあ乗り込むぜ〜! S2000はせまいぜ〜! いつもの通り、シートを一番後ろにした状態でベルトを締めてから一番前へ。

これだとベルトを締めやすいし、シートを細かく合わせる必要もないから時間短縮につながります。

タイヤ交換も終わって、右手親指はエンジンスタートボタンに! あれ、ボンネット開けてるじゃん。

ボ、ボ、ボ、ボンネットピンに手が〜!汁プレイ炸裂!


こっちゃもう準備出来てるから早く閉めてくださ〜い
(トラブルの可能性は
全く考えてません)。

そーいえば窓の左半分にオイルがベットリ。

ま、いーや。ボンネット閉めたらイクよ〜!
(まだトラブルの可能性は
全く考えてません)


閉まった! エンジンスタート!……あれ? エンジンかけちゃダメなの??? おういえ〜今出ればまだ表彰台行けるよ。(この期に及んでトラブルの可能性は全く考えてません)

チーフメカの伊藤さんが手でXサイン。もしかしてトラブルッスか!
(やっとトラブルに気付く)。

96号車のピットインもあり、哀れ95号車はオレを搭載したままガレージの中へ……。


修理に時間がかかるので一度降ります市嶋さん、ピス兄と ダメだこりゃ。

エンジン不調でバックファイヤーに引火!
十勝以外でレース中に降りたのはこれが初めて。人がレースしてるのに降りて待ってるなんて不思議なもんです。

しかも96号車にもちょっとしたトラブルがあったみたいで、メカニックはみんなそっちへ。チームとしてはすぐに修理が終わりそうなマシンを優先するのが当然だからしょうがないのよ〜。

トラブルの原因はオイルクーラー。どこにあるかわからないほどの小さなクラックからが出たみたいで、オイルラインかオイルクーラーかも、よく見ないとわからないほどでした。

メカさんがせっかく取りに行ってくれたスペアのオイルクーラーは、サイズが合わず取り付け不可。



取り外し中オイルクーラー外れた!


修理を外で待っていると寒いのでマシンに乗りこんで待ってました。冬は室内にバコーンと突き出てるミッションがあったかいんだ。

待ってる間

大井さんは
「止まってる時間は個人的に引いといてやるから。」
所長は
「ベストラップ出して
キッチリオイシイところもらってこい!」

オトコふたりそれぞれの言葉で激励ごっつあんでした!


ラスト約30周、オイルクーラーなしでコースに復帰。

クラス1位から16周遅れのクラス12位、総合38位。


リタイヤしたチームよりもさらに後ろから
戦闘開始!



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