Day4-part1  「ぽろっ、からんから〜ん」


さあ決勝だ!

朝、宇都宮市内の安ホテル(1泊4500円)を出ると、雨がシトシト。

「いー天気だな(ニヤリ)」
とメカニックのみなさんは早くも漢の顔に。

例えて言うと斬岩剣をかまえた男塾二号生筆頭赤石剛次。


      
                          小雨で暗いよ〜


トップから離されているウチとしては、荒れるレースは望むところ。2レース目とか、予算がギリギリとか、トップは速いとかいう細かいことは関係なし! 常に
優勝しか頭にないSPOON号スタッフは、みんな本気と書いてマヂと読むぜ!

そのぶんドライバーにも手加減なしだから大変なんだけどね。

こっちとしては
本気上等!経験がないから、予算がないから遅くてもしょうがないなんて言うヤツは油風呂の刑です。


去年の某氏(笑)がそうだったけど、本気と書いてマジと読むモードに入ったメカニックは超危険!

ウエットになった朝のフリー走行では、まずピス兄が浅溝レインタイヤのペースをチェック。雨の量に対するタイヤ選択です。

途中でドライバー交代して、同時にタイヤも深溝レインにチェンジ。だけど、深溝は皮ムキだけでその周にピットイン。
用意されていたのは当然のように
スリックタイヤ。

監督 「決勝で使うかもしんないから皮ムキしといて」
オレ 「マママ、マヂッスカ!」

だって普通に雨降ってるんだよ(笑)。晴れだって冬の新品は危ないんだから! それを雨の中ド新品のスリックで走るんだから! もちろんコースアウト、クラッシュは厳禁。これがプロのメカニックだ!


      
                   
 フリー走行なのに気合入りすぎ


フリー走行終了まで3周くらい走って無事にピットイン。ABSがなかったらヤバカッタ。タイムは2分30秒。もう少しタイヤが発熱すれば28秒。これが26秒くらいになれば、スリックでスタート出来る計算だったそうです。天気は回復する予報だったから、最初だけ我慢すれば他のチームよりも1回ピットインを減らせるからね。

勝とうと思ったらここまでチャレンジしないとダメってことです。
だけど、他のチームは普通に深溝レインなんスけど(笑)。

雨スリック皮ムキプレイか!

今のトップドライバーは、みんなこうやって鍛えられたんですね〜。

ちなみにオレがこのレースで使わせてもらった新品タイヤはコレが最初で最後でした。
ぎゃふん。


さて、次はピットウオーク。

あいかわらずのお客さんデス。雨によるスケジュール変更でピットウオークの時間が大幅に削られて残念でした。しょうがないけどね。

いろいろ言われたパドック市。少なくともウチのチームとドライバーには何の案内も要望も来ませんでしたし、そもそも何をするのか、誰が主催なのかが最後まで不明のままでした。が、エントラント側の人間として、楽しみにしていたファンの皆様にお詫び申し上げます。

いい企画なんだからちゃんとやろーぜ。


もてぎは関東圏ってことで、いろいろな人が
オレ様の応援に来てくれました。
みなさんありがとーございました!

 出撃直前、超人師弟コンビ  おなじみすぎる柘植会長 山野哲也さんも来てくれました   モンツァ会のカツヤマさん
 親子で来てくれた長谷川さん   走行会のTKくらぶ!       S2000in彩の国応援団のみなさんです


他にもVTECSPORTS誌の超強力副編、ヤマさん。カメラマンをお願いした越智君。S2000in彩の国のごーるどさん、専亀さん。ホントに多くの方が応援に来てくれました。ちょうどいい写真がなくてゴメンナサイ。あとで出てきますのでお見逃しなく。専亀さんは写真撮ってばっかりで自分のを撮るヒマがないんだよね(笑)。ありがと! 長谷川さんの息子さんはリハビリを超がんばって、車椅子でグリッドまで来てくれました。ウレシイねえ。何も言わずに通したモテギのスタッフもえらい!


この勢いでグリッドまでいっちゃいましょう。

          油断すると、すぐにこの有様 初めてのキャンギャル付きレースです。メインスポンサー、BPさんはレーシングスーツ。実は第3ドライバーだったというウワサも。
          前半はまかせろ! byピス兄               すっかり雨です

今回もスタートドライバーはピス兄。ウエット→ドライへの変化が予想されるので、無理難題を押し付けられるオレが後半担当です。

雨でしかも最終戦とくれば、荒れるしかないレース。SUGOと同じ500キロだけど、雨でペースが遅い分、レース時間は延びるはず。ということは待っていればイイコトがあるレースでもある。みんなはシリーズ関係あるけどウチはないから(笑)。タナボタ作戦が吉と出た!

ローリング開始直後、
「ピストン西沢がスピ〜ン!」

やべえ、
オイシイとこ持ってかれた!(←違ウ)

その瞬間、篠原監督がL50(50周で交代)をL35(35周で帰ってこい)に変更しました(笑)。

ぶつかったりはしなかったみたいで最後尾でローリングに復帰。ローリング中でよかった。スタートしてからスピンしたら、一気に遅れてたからね。


 


ここからピス兄怒涛の追い上げ! 1周目で早くも3台くらいパスして、その後もコースアウトするドライバーが多い中、ハイペースでオーバーテイクし放題!

そんなにいい走りをされると
オレにプレッシャーが(笑)。
どんどん乾いていく路面にチョイスした浅溝レインもヒットして、もうイケイケです。

思った通りコースアウト、リタイヤ続出の超大荒れレース。クラス4ではムーンクラフト、ACIDの2台が早くもリタイヤ。
両隣がリタイヤというとっても居づらいピットでした。

30周を経過してライン上はほぼドライに。どのチームもスリックタイヤに交換するタイミングを計っております。1ストップで行ける周回数まで引っ張って、給油とタイヤ交換を同時にやっちゃうのがいいから。ウチのピットインは38周目。数周前にエンジンブローでリタイヤしたACID号にピットを空けてもらって、さあイクぜっ!!



ピットイン直前まで全開のピス兄は
クラス13位から、なんと5位(確か)まで上げてピットイン!
さすが地元、
すげーぜピス兄!

腹につっかえてベルトを締めにくかった他は特にトラブルもなく、オレがコースに戻ったときは確か8位くらい。SUGOと同じく早めのピットで追い上げて、みんなピットインしたら順位が上がってアラビックリ作戦です。路面もスリックに合ってたからこれがベスト!

マシンは快調、金曜の練習でタイヤの磨耗も操縦性の変化もバッチリわかる。

監督からは無線で
「最後だからな、思いっきりいけよ」と檄が飛ぶ!

そりゃもちろんわかってますぜダンナ。けっこう速い2分13秒台で追い上げて、交代から15周ほどで4位に浮上! 監督からは「前でまだピットインしてないヤツいるから、表彰台イケルぞ〜」という無線が。

前回だって3位だし、トップのRedLineには追いつかないし、このまま3位じゃ笑いが足りないのう。誰かトラブル出ないかな〜。とバチ当たりなことを考えながら4コーナーを立ち上がり、いつものように3速→4速にシフトアップ、のハズが…。


       



「ぽろっ、からんから〜ん……」




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