Day4-part2 ネタは向こうから寄ってくる




突然左手の手ごたえがなくなり
シフトレバーがポロッと落下。
なんで?なんで?なんで?

写真はあくまでイメーヂです。

ぐっはあっ!


まさか! と思ってアクセルオンしてもエンジンは虚しく回るだけ…。よりによって

ニュートラル位置で折れちまった!

こりゃ、シートレールが折れて以来の大ネタだぜ!


あー折れちゃった。ギアも入ってないからリタイヤかあ。でもSUGOで表彰台に乗ったし、予選ポールポジションも獲ったし、いい1年だったなあ。今日だって4位まで上がって速さを見せられたし、シフトレバーが折れたらリタイヤでもしょうがないよなあ。

ここまでやるだけやって、覚悟は決まったのに、目は勝手にシフトレバーがあったはずの位置を見る。

アレ、何か残ってるぞ。

これもあくまでイメーヂです。

何かとしか言いようがないよね。


この瞬間、頭にある光景が閃いた。95年ル・マン24時間レース。トップを快走していたサードトヨタがシフトリンケージのトラブルでストップ。ドライバーの故ジェフ・クロスノフは、マシン後部から手を突っ込み、5速に入れてピットを目指す…。

そーだ、
レバーがないだけで機械的には何も壊れてないじゃん!
もしかしてコレ、つまんだらギア入るかな。でもFRはミッション直結で重いから、やっぱりダメかもしれないな…。

んー、ふんぬぁ!

入ったー! いよっしゃー!


「覚悟が決まった」なんてのは
うっそぴょーん。
いや、瞬間的にはホントなんだけどね。レーシングドライバーはウソツキだぜ!

ゲヘゲヘゲへ!!

ギアが入ったのがうれしくて、
ドライバーが故障しております。
「シフトレバー折れちゃった」と無線で報告し、4速ホールドでピットを目指す。

まだ終わらんよ!

途中、4速ホールドの
あまりの遅さにガマンできず、「レバーが折れただけで、ミッションの構造的には問題ないはずだよな…」と血迷った行動に。

ダウンヒルストレート前のヘアピンで、
シフトダウンにチャレンジ! よっしゃ! バッチリ3速に入ったぜ!

裏ストレートでは
4速にアップ!
ストレートエンドでは
再び3速にダウン! 

外から見てた人は、トラブルがあるなんてわかんなかっただろーね。

「せっかく入ったギアなんだからおとなしくホールドして帰って来い」と、

あとで怒られました。



しつこいですが、この写真もあくまでイメーヂです。

この状態でギアを入れて、シフトチェンジしたんだから
笑えるよね。



3速でリミッターをバシバシ効かせながら全開ピットイン! 篠原監督ならびにメカニックの後藤さん、石井さん、あとはよろしく!

助手席側から監督が乗り込む。
監督「折れたレバーはどこだ!」
クラゴン「さあ???」


だってポロって落ちちゃったんだもん。

シフトレバーがネジから折れていたため、根元からまるごと交換することに。監督自らが修理に当たり、後藤さんと石井さんは追い上げのためにタイヤ交換!

SPOONは誰もあきらめてねーぜ!

とはいっても、すぐに交換できる部品じゃない。

篠原監督はレース中じゃないみたいに淡々と修理。オレもマシンを降りずに待つ。もって来たスペアの部品が、どう見ても使っていた形跡があるんですけど。

待っている間、ピス兄が「終わった…」という顔をしてる。そんな顔しないでくださいよ。オレはまだ走れるから。

正確に計ってないけど、5分くらいは止まってたのかな。
長ーい修理が終わりミッションが入ることを確認してピットアウト。
だけど5分だってすっげー速いよ!

タイヤはオレが
朝皮ムキプレイした新品スリック。やっといてよかった〜!

ここで
大大大問題が発生! オッス監督殿! 左のミラーが下向きで地面しか見えないであります!

クラス4にとってミラーが見えないのは死活問題! 直線だけ速くて
ピ―――――(放送禁止)なクラス上のマシンにぶつけられちゃうよー!

泣きごとを言っても仕方がない、というよりも直しようがないので、黙ってました。

左コーナーだけ
巻き込み確認すれば何とかなる!

コースインした1コーナーでまっすぐイキそうになったのはここだけの秘密だ!


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