DAY3 | ||||||
暗中模索 | ||||||
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到着から3日目にしてニュル初走行です。 3日目になって体制や準備に関して「これはちょっと…???」だったことが「このままじゃダメだ!」に変わりました(笑)。走ってる間は別に関係ないけど。この日の午後がヤマだった、というよりもここからヒマラヤ山脈の尾根が始まったくらいのカンジでしょうか。 さて、前日の説明でインストラクターのオヤヂが「ガソリンは満タンで来いよ」といっていたので、それ以外の準備は特にせずにオールドコースのピットに集合しました。 実はま〜たここで問題があったんですよ。M氏は「みんなで車両を乗り換える」といっていたのに、現地に着いてみたらひとり1台乗りっぱなしでやんの。三菱GERMANYのご好意で予定より多く貸してくれて、いちおう多めに乗っていこうという話になったから良かったけど、そうじゃなければこの時点でアウト。ファーストカマートレーニングを受けなかったら、絶対にレースに出られません。 危ないところじゃったわい。 だけどあとでこんなもんじゃない危機が何度も訪れますので、お楽しみに(笑)。 |
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来たね〜! 来ましたよ! ついにニュル初走行! 今回はレースがどうのこうのというよりも、ニュルブルクリンクを走ることに意義がある! 極端な話、とりあえず走っちゃえば、レースの結果に限らず目標達成だとも思っていました。 もちろんゲームやビデオで予習は万全。だけどゲームはゲームですから。初コース攻略という意味ではいつもと変わりません。ゲームでは何速だからとか、ブレーキを踏まないとか、ゲームと実戦を勘違いするとケガのもとです。 |
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写真は晴れですが、走行時はニュルブルクリンク初攻略にピッタンコの雨!(←もうヤケクソ)。夜間プレイとかゆぎとか、オレがサーキットを走るとロクな天気にならないのはどういうことでせうか。 ニュルの雨はSUGOのゆぎと同じくらいオトコの予感がします。 |
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ニュル初攻略の笑うしかない映像はスポンサー特典映像なので、スポンサーしてくれた人だけニヤリとしてください。初ニュル+コルト+快適仕様タイヤでニュルを走るという時点で、そのオトコっぷりは容易に想像できると思いますが(笑)。 まず驚いたのはアップダウン。軽くゲームの倍です。今までサーキットを走ってここまで縦Gを体感したことはありませんでした。クラゴン親方の分析ではニュルの難しさは、つまるところ縦Gの変化が原因でしょう。タイヤにかかっていた荷重が一度抜ける→あとでドン!と荷重がかかる→タイヤの能力をオーバーして、スピン&コースアウトということだと思います。 だからコーナーのRをもとにコーナリング速度を判断すると、荷重変化に対応できずにブッ飛んでくと、まあこういうことですな。その予測範囲が、通常のサーキットから大きく逸脱しているのがニュルの難しさなんでしょう。 あとは精神的に圧迫されるコーナーばっかりなので、どれだけムダな緊張をしないか。どれだけゆるんでいるかがハッキリとわかるサーキットです。 あとはインストラクターのオヤヂが全開バリバリで走ることにビビリましたよ(笑)。マヂかよっていう速度でコーナーに突っ込んで、四輪ドリフトしながら「Close up please!(車間距離つめろ)」だからなあ。ラインはイマイチだったけど、クラゴン部屋よりも手加減なしで引っ張り稽古です(笑)。 あとはノーマルカーをニュルに持ち込んで、そのまま全開っていうのも文化の違いですな。 ヨーロッパ仕様のコルト君はバッチリ走ってくれました。日本でもコレ売ってくんないかな。いろいろ大変な三菱さんですが、ミラージュワンメイクレース最後のチャンピオンの血がグツグツと煮えたぎるものがありましたよ。 藤岡さんが乗ってたもう一台のコルトが突然止まっちゃって驚いたんだけど、止まった原因はなんとカルッセルのバンクで、転倒感知センサーが働いたからだって。それだけ傾いてるんですね〜。転倒したら電気系がカットされるのって安全でいいかも。 オレのコルトは大丈夫でした。カルッセルに突っ込む速度が高くて、転倒センサーを騙せたようです。 |
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図解するとこんなカンジ。 遅いと感知センサーが重力方向にそのままGを感知します。 早いと横Gがかかって、実際のバンクよりも傾いてないと感知するわけ。 ニュル初走行でカルッセルに突っ込むという時点で、話はすでに気合と根性の領域ですが。 |
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ついでに説明しちゃうと、ニュルアカデミーは全車無線を積んで、先導走行のオヤヂがしゃべりながら前を走るという、クラゴン部屋と全く同じ方式をとってました。クラゴン部屋の指南法が、あまりの効果に遠くドイツまで…ってわけじゃないけど、効果のある練習方法は全世界共通なんだなと再確認。もちろんしゃべってる内容は英語だから、英語がわからないと意味ないけどね。 そういえば先導オヤヂは「ニッキラウダコォナ〜」を連呼してました。レース好きなみなさんだったらニキ・ラウダの大オトコ&復活はご存知でしょうが、そのコーナーです。それだけ危ないってことでしょう。 早速オトコになってる人たちもいましたが、我等がヴィッツ組は無事に先導走行を終了。フリー走行に入りました。去年だか一昨年だかにアクシデントで死んだ人がいたらしくて、かなり脅かされたけど、それがニュルってことですな。 初走行の岸本さんと藤岡さんを、やっぱり初走行のオレが引っ張るのはどうかと思いますが、日頃のぶっつけ本番レースのおかげか、極めて普通に攻略してやりました。うはははは。 ニュルっていうとみんながみんな特殊な言葉を使って表現したがるけど、オレからすればサーキットに変わりありません。それも超楽しい究極のサーキット! こんなにエロいコーナーが連続するサーキットは日本はもちろん、全世界を探してもそうはないでしょう。それを「峠みたい」とかひとくくりで説明しちゃうのはもったいないし、特殊な表現も不要。ニュルを表す言葉は「究極のサーキット」が一番正確だと感じました。 |
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午後はテッツァ組のファーストカマートレーニングだったので、ガソリン満タンにしてタッチ交代。「フランクフルトに買い物に行く?」という話も一瞬出ましたが、行くドライバーは誰もいませんでした。ファーストカマーに必要な台数を把握してない時点で、危機的な状況だっていうのがわかっちゃったから。 そして午後、メシを食いながらメカの武田さんから話がありました。 「今のマシンの状態を説明すると、ライトの電球が切れてライトがつかない。車検を受けるためのタイヤがない。そのほかにも細かい問題がいくらでもある。そもそもこのマシンが車検に通る状態なのかもわからない。メカニックとして現状を見れば、メンテナンスどころか、何ヶ月も乗りっぱなしで何もメンテナンスしていない状態だと言わざるを得ない。ドライバーみんなが事前にどんな話を聞いて参戦することにしたかはわからないけど、全員で協力してレギュレーションを確認して本当にいるものをかき集めない限り、グリッドにも並べないだろう。」 う〜んやっぱり。いや予想以上。 そして全てを把握していたはずのM氏は車検に必要な書類を持ったまま、トラベラーズチェック(旅行用の小切手みたいなの)を換金に銀行のあるところへ………。 ドイツまで来ちゃった以上、やるしかねえ! 英語のわかる伊藤選手(アツテッツァ組、アメリカのレース経験あり)、岸本選手(ヴィッツ組、仕事で海外出張経験あり)、そしてオレ(ほんのちょっと。怒ると流暢な英語になる)で、手分けしてとりあえず英語で必要なことを全部やる! そのほかのドライバー全員も言葉に関係ないところで必要なことをやる! おっしゃー!いくぜー! とうわけで、この先誰がどう動いていたのかわかりません。たぶんお互いにそうだったでしょう。車検に関係することは、クルマ用語を知っている伊藤さんが、主催者への確認をビジネス英語を知っている岸本さんが、ピット周辺のことをオレが、分担しながら協力しながらやっていたような気がします。 もちろん買出しのヘルパーさん含めて、全員が自分のできることをやっていました。 その中でも一番の問題がタイヤ。 M氏曰く、今回はダンロップのサポートをいただいているので、日本のダンロップからドイツダンロップにヴィッツ用のタイヤが届いているはず。 ところがそのタイヤがねえ! いまあるのは船積み用の鉄チン&緊急用のテンパーホイールとタイヤ。いっくらなんでも、コレじゃ車検は無理だよな…。 |
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ドイツダンロップに交渉に行ったのはオレだったんですが、トリツクシマナシってのはこのことだってくらい相手にされませんでした。そういえば仲間由記恵と阿部寛のトリックの放送がもうすぐ(10月26日現在)だなあってそうじゃなくて! ドイツダンロップさんちの話をまとめてみると、@日本からのタイヤは預かっていない。A日本の担当者の名前も知らない。Bそもそもそんな話聞いたことねえ。という完全に危機的な状況でした。 このまま引き下がってもタイヤがないのは変わらないので、買うのは大丈夫かと聞いたら、それはOK。ホイールさえ持ってくれば普通に作業してやる、ということでした。 |
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だ〜がしかし! タイヤサイズは15インチからで、14インチはない。タイヤを組んでほしかったら15インチのホイールを持って来い、だって。 幸いにしてホモロゲーション(JAFがFIAにレースで使う車両を申請すること。ホモロゲを申請してないと、国際レースには出られません)では15インチもOK。ホイールがあればとはいったって、こっちに日本みたいにクルマ用品の量販店があるなんて聞いたことないし、実際に道中で見かけたのは、な〜んかちょっと違うカンジの店がひとつだけ。 トヨタ車つながりということで、ケルンのTMG(トヨタのF1をやってるとこね)に協力してもらおうとしたけど、翌日がイースターの祭日で、今日中じゃなければダメ。イースターってなんぢゃそるあああああああああああああ! 日本にはイースターなんかないイイイイイイイイイ! とジョジョっぽく叫んでもダメなものはダメ。 M氏が日本の担当者に連絡を取ろうとしても、時差で日本は真夜中。これが海外レースか。 車検のタイムリミットは明日の夕方。その前に明日のハグカップに出るタイヤがねえ! ハグカップは24hの前座レースで、各周回ごとのタイム差が少ないと優勝っていう面白いレースなんだけど、実際には24h予選前の練習走行にしてるチームが多いです。 そこで武ちゃんの一声。 「Y社だったらあるんじゃない?」 それだ! |
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14インチ、発見! 小排気量車はY社が多いみたいで、Y社では14インチのSタイヤの在庫がありました〜! よ〜しこれで車検にイケルぜEK! なんかもうなつかしいフレーズだなあ。 そりゃ、倫理的には大いに問題ありますよ。だってサポートもらった(らしい)のに、他のメーカーのタイヤをつけちゃうんだから。だけど、車検に通るかどうかっていうのは、レースに出られるかどうか。倫理のためにレースに出ないとしたら、それは目的を見失っているだけです。出られるのにそうしなかったら、出ないと決めたのといっしょだから。 もちろん決勝までこのまんまってわけじゃなくて、決勝のグリッドに並ぶための緊急避難的措置です。目的のためには手段を選ばないのがレースだ! |
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かくしてY社のタイヤを装着して難を逃れたヴィッツ君。はあ、疲れた。 この話がどういうオチになったかというと、ファルケンのユニフォームを着た人が夕方来て「まだタイヤ取りに来ないんですか?」。 みんな倒れそうになりましたよ。 つまり、ダンロップとファルケンが合併したことで、ファルケンGT−Rのファルケンさんが、ウチのタイヤを持ってくる作戦だったんですよ。ファルケンGT−Rは完全な日本チームだから、そうすれば全ては日本でカタがつくってわけですね。 完全に盲点でした。 もちろん悪いのは、ファルケンさんでもダンロップさんでもドイツダンロップでもなく、受け渡しの手はずを聞いておきながら、それをすっかり忘れてチームの余計な仕事を増やした挙句、忙しいのにどっかに行って電話もつながらなかった人です。 でもいなくて良かったかな。いたらその場でピーーーーにピーーーたでしょうから。 でもこのへんからな〜んか妙にヤル気になったような気もします。 うひょひょひょひょ。 |
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夕食のバーガーキングと、帰り道で食ったアイス。 こっちのアイスやチョコはなぜかウマイんですよ。甘いもの好きには最高です。 バーガーキングは普通。特に大きいサイズってわけでもありません。ドイツまで来て食うもんじゃないね。 |
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このブツはサーキットレストランで食った、リブステーキ“ニュルブルクリンク”。味はドイツらしく大味でしたがそこはそれ。ギャー○ルズのマンモス肉を思い出させるデカイ肉というだけで満足! ドッギャァァァァァァァァァァァン! |
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DAY4⇔ | ||||||