2002年 ホンダワンメイク エントリーシリーズ第2戦

開催日  2002年 6月9日   
開催地  仙台ハイランドレースウェイ
車両   280 エモンNTC DL ED シビック
参加台数 5台   出走台数 4台 

厳しいレースを闘い抜き、開幕戦に続いて2位獲得!  6月9日、ホンダワンメイクエントリーシリーズ(旧シビック東北シリーズ)第2戦が仙台ハイランドで開催された。 開幕戦を2位でゴールしたクラゴンに優勝の期待がかかったが、今回はマシンの不調に見舞われ練習から全くタイムが伸びず、予選は4位に終わる。しかし決勝では持ち前のレース強さを発揮し2位入賞を果たした。シリーズランキングは1位と5ポイント差の2位。今回の2位は大きな意味を持つことになるだろう。
デビュー戦とは思えない速さを見せた開幕戦から約2ヶ月。第2戦は気温30℃、路面温度58℃、6月としては猛烈に暑い仙台ハイランドが舞台となった。マシンは事前テストの時点から非常に強いアンダーステア(マシンがドライバーの思うとおりに曲がらない症状)を示しており、その解消が今回のレースのカギだった。

 テスト結果からガレージですでにセッティングを変えて来てはいたものの、やはりアンダーステアは消えておらず、さらに現地でセッティングを施すこととなった。リアを意図的に不安定にすることで旋回性を向上させようと試み、4箇所ほど変更を加えたがすべて不発。その間にも開幕戦優勝のbT8は好タイムを連発していくが、クラゴンのラップタイムはほとんど良くならない。
 
 ベストタイムはbT8の2分4秒9に対して2分7秒1。明らかに不調なマシンで、通常では考えられないほどの大差をつけられ、この時点では2位からも転落していた。しかし練習とレースとは別。気温が上がり、条件が厳しくなるほどドライバーの差が出るもの。そうなれば順位を上げるチャンスはあった。

6月 9日 予選

9時30分予選開始。土曜と比較し気温は10℃、路面温度にして20℃下がったが、アンダーステア症状が改善される要素は…ない。タイムアタックは2周。現在のマシンでどこまでタイムを伸ばせるのか、クラゴンに期待がかかる。
アタック1周目は2分6秒24。2周目は2分6秒06をマーク。土曜日のベストタイムを1秒以上も更新してみせたが、順位は4位。上位ドライバーとの差を縮めるに止まった。
   
クラゴン「気温が下がったのもあって自己ベストタイムは更新しましたが、これが限界。現状でこれ以上のタイムを出すのは不可能です。タイム差を考えても今回は勝負権ありませんね。でも、レースにタイムは関係ありませんから。いつもどおり何とかしてみせます。」

6月 9日 決勝
 
決勝のスタートは気温の上がる午後1時30分。路面温度は58℃。この気温がレース展開に影響を及ぼすことになる。クラゴンは最後尾の4番グリッドからスタート。他車とのタイム差を考えると、スタートで前に出る以外に作戦はない。

いつもはロケットスタートのクラゴンが今回に限って平凡なスタートで、1周目は4位のまま通過。序盤こそトップを走行するbT8のペースが上がらなかったが、3周目には各車に差がつきはじめる。4位のクラゴンは2周目までは先頭集団に追いすがったものの、タイヤのグリップが低下する3周目から離され、単独の4位。ここまでかと思われた。
このまま膠着状態に入ると思われたレースが動いたのは5周目。2位走行中のbQ2がドライブシャフト破損でストップし、クラゴンは3位に浮上した。同じ頃、タイヤの消耗から、2位を走行するbQ0のペースが落ちはじめ、クラゴンが差をつめる。レースのハイライトは8周目のハイポイントコーナー。一時は5秒以上あった差をつめたクラゴンが、bQ0を一気にパスし2位に浮上!練習、予選の不調からここまで這い上がってくることを誰が予想し得ただろうか。ラスト2周、オーダーは変わらず1位bT8、2位クラゴン、3位bQ0の順でゴールした。
 
 トップのbT8まで届くことはなかったが、天性のレース強さを発揮したクラゴンが、周囲の予想を超えた追い上げで2位に入賞。最大の危機を乗り切った。
クラゴンのコメント

「今回はとにかく大変なレースでした。今までアルテッツァなどいろいろなレースに出ましたが、ここまでタイムが出ないのは初めてでした。開幕戦のSUGOで乗り方がわかったと思ったんですが、本当にどんなことをしてもダメでした。たぶん、いや、間違いなくマシンに問題があったんでしょう。どこが悪いかは大体想像がついているんですが、それをメカニックにわかりやすく伝えられなかったのが今回の反省点です。そのためセッティングにもドライビングにも迷いが出て、ただでさえ時間のないレースウイークに無駄な時間を使ってしまいました。それでもすぐに対策出来るところではないので、今回に関しては、これ以上どうにもなりませんでしたが。
今回は運のあったレースにも思えますが、それだけではありません。マシントラブルを出さない体制を作るのはレースの最も重要な要素ですし、暑い日にタイヤに負担をかけないドライビングをするのもドライバーの仕事です。予選は1周速く走るだけでいいですけど、決勝ではその走りをずっと続けなければならない。その実力差が出た結果でしょう。
 しかし、勝つためにやることはまだまだありますね。自分もクルマも気合を入れなおして、第3戦はきちんとしたレースをして勝ちますから。」