DAY3
「クラゴン、2周目、34秒9!!」
「これ以上速いタイム出すヤツがいても知らねえ!」
土曜はフリー走行と2回の予選。
予選1回目が基準タイムクリア(総合1位の130%、クラス1位の110%)判定。F1と同じで、あまりに遅いドライバーがいると危ないということでんな。
この1回目は予選順位に反映されません。
が! ある程度のタイムは出さないと決勝に出られなくなっちゃうし、予選2回目へのシミュレーションという意味で、本気アタックをすることには変わりなしです。
オレ以外は。
対して2回目の予選は決勝グリッドを決めるバキバキのタイムアタック。
極端に言うとどちらかのドライバーが1周だけアタックしてタイムを出せばそれでOK。
この予選2回目で使ったタイヤを決勝スタートで使わなきゃいけないから、タイムを出そうと思って走りすぎると決勝で痛い展開になります。
といっても、耐久タイヤだって速いのは新品〜3周までだからね。
アタック失敗しようが、それ以上走るのがジョジョの奇妙な冒険的に
ムダムダムダァ!
なのはスプリントと変わりません。
フリー走行までに左右リアと左フロントキャンバーを増やして、スプリングレートをアップ。アライメント調整をして、セット完了!
金曜の調子から、予選アタッカーはオレ。
予選1回目に初めてのニュータイヤの感触を確かめながら
必殺の三味線アタック!
1分36秒328でトップのJ’sRacingから
1.2秒遅れのクラス6位。
よし、予定通り!(←?)
よく書き込んでくれるトビさんは、モンドスピード号のメカをやってて、またうれしそうに
「クラタ君、三味線? 三味線?」と聞いてくれました。
そうさ三味線さ!
3周くらいで切り上げて、ピス兄にパス。
セットの変化にちょっと戸惑ったようで1分38秒4だったけど、安全に基準タイムをクリアするにはこれで十分。無駄にプッシュしないクレバーなアタックでした。
このフォルムたまらんでしょ。そういえばリアウイングちっちゃいよね?
勝負の予選2回目。クラス4で今年最も熾烈な闘いになりました。
予選2回目は20分ごとの3セッション。セッション1がクラス1/2の占有。セッション2がクラス3/4/N+の占有。セッション3がクラス分けなしになっちょります。
雨が降り出しそうだったこともあって、セッション2開始直後に
「行けるだけ行くけど、何秒出るかわかんないよ」
と捨てゼリフを残して早速アタッ〜ク!
アタック1周目は三味線で1分35秒8。これでも1回目よりコンマ5秒速いけど。某氏はこのタイムで「まあまあじゃないの」と思ったそうです。
ふっふっふ。
思いっきり行ったアタック2周目、
1分34秒933でクラストップに浮上!!
予選1回目より
1.4秒速いマヂッスか的タイムアップ! 1回目サボリすぎだ!
3周目は1分35秒1でタイムアタック終了〜。
去年のシビック最終戦以来10ヶ月ぶりのアタックだったけど、ちゃんと予選モードがスイッチオンになりました。
ところがスイッチオンになっちゃったのは他の人も同じだったらしく、
スポット参戦の小僧に負けるか
とばかりに、バシバシとタイムを更新してきます。
そして、僕が最もマークしていた某氏がメンテするモンドスピードS2000が最終コーナーでクラッシュ〜赤旗中断! 30分後に残り7分で予選再開になりました。
その間どうしてたかって?
高見の見物
ってヤツですよ。これ以上アタックしてもタイム出ないし。
もう自分で出来ることはしたし、タイヤも使ったから、あとの順位は他の人次第。ということで
「知らねえ」
発言が出たわけですね。
セッション2が終了してまだ1位。
あとは全クラス混走のセッション3! なんだけど、クラス4は誰も走ってないじゃん。
セッション2でみんなアタックしちゃったんだって。
文字が多いのでピットの風景を入れてみました。
初アタックで堂々のポールポジション!!
何人知ってるかわかんないけど、こりゃ
予告ポールポジション
ってヤツじゃないですか!
湧き上がるピット。
「メカニック3人でポールポジション獲ったぜ! byメカのIさん(実話)」
面白いもので、メカニックっていろんなカテゴリーで働いているから、カテゴリーによって同じドライバーと敵になったり仲間になったりするんです。
GTでWADA−Q選手のメカをやってる人は
「WADA−Qに負けたら夕メシおごりね」
とか言うし。そういう負けたらオゴリが3チームくらいあったんだけど、結局は
「ポールポジション獲ったからオゴリね」。
さすが(笑)。このくらいじゃないとこの世界でやっていけないよね。
どのくらい熾烈だったかというと、
1位のオレ様
から5位のRedLineさんちまでコンマ3秒もないんだから。コンマ25秒差くらい。3時間以上のレースなのに、予選でここまで接近することはまずないですよ。
2位のFKマッシモさんちとはコンマ1秒差だから、ミスらしくないミス1つでも逆転してた計算です。ギリギリだね。だけど
1分34秒台はオレだけ
だし、
レースは結果。
谷川さんが出てたらもっと速かったのかなと思いつつも喜んじゃいましょう!
あんまり余計なこと考えないで行ったのがよかったんだろうね。マシンの性格や特性よりも、まず自分がタイヤの限界を感じられることを信じて、ギリギリの領域を突っ走る!
普通は予選タイムを予想できるもんなんだけど、今回は全然無理だったね。こんな予選は初めてですよ。
とにかくスゲーのはメカのみなさん! 最初は知らないマシンを攻略しやすいように乗りやすいセットを用意して、乗りにくいけど限界が高いセットに変えていくという、監督の組み立てがスゴイんですよ。
だからポールポジションの半分以上はメカのみなさんのおかげです。ドライバーが速さを発揮できるようにまで考えてやってくれる人はなかなかいないからね。
ドライバーを作る某氏もすごかったけど、スプーン号のメカさんたちは別の意味ですごい!
ちなみに他のクラスのポールシッターは
クラス1 FALKEN☆PORSCHE
竹内浩典
選手
クラス2
ジアラーランサーEVO [
中谷明彦
選手
クラス3 ORCアドバンRX−7
山田英二
選手
GN+ MAZIORA Kosei ALTEZZA
黒澤琢弥
選手
ここにクラス4ポールポジション
クラゴン
という有様になっております。
信じられない人はS耐公式ホームページでどぞ。
http://www.so-net.ne.jp/s-taikyu/2003/round7/index.html
だいたいさ、第6戦TIラウンドのクラス4ポールは
黒木健次選手だからねえ。
黒木さんの次にポール獲るなんざエライコッチャだよ。
コレもたぶん初公開! ムンクラ製リアカウルの脱皮シーンだ!
トランクに燃料タンクが入ってるから開かないと困るのよん
マシンはというと、どんどん乗りにくくなってます。ヘンな表現だけど。
乗りにくくなってタイムが出るのはトラクションが出てるっちゅーことだね。リアのグリップを上げるから曲がらなくなる。だけど、しっかり曲げれば前に進むというセットです。長い間レースをやっていると、乗りやすいクルマよりも速いクルマのほうが気分いいから、ほとんど乗りにくさは感じないんだけど、走行会に出てるみんなが乗ったら、曲がんなくてビックリするかもしれないよ。
この予選で今回のレースの役目はだいたい終わり。
ドライバーも含めてまだまだ優勝出来るほど経験を積んでないし、今年ずっと参戦してるチームにかなうと思えるほど楽観的にはなれないからね。
だからこそ
予選のファイト一発!
で速さを見せることが大切だったわけですよ。
他のチームの人は
みんなビックリ
しただろ〜なあ。いきなりポールポジションで
しかもクラゴン
だもんなあ。
ウチのメカさんだって、ストップウオッチを押し間違えたと思ってタイミングモニターにダッシュしてたみたいだし。「ホントに34秒台に入ってる…」だって。オイオイ(笑)。
34秒台にはオレもビックリしたけど。
実は去年も一昨年もチャンピオンを獲ったのに、なかなか評価されなくて大変だったんですよ。「東北は台数が少ないからレベルが低い」とか、「何でまだシビックやってんの?」とかね。
これが東北シリーズチャンピオンの速さだよ諸君!
ってことにしときましょうか(笑)。
あー面白かった。
予選終了後にポールシッターインタヴューを受けました。
S耐公式ページにアップされてるので、「Report⇒ムービーギャラリー」でご覧ください。
http://www.so-net.ne.jp/s-taikyu/2003/round7/index.html
ポールポジションは出番が多いよ〜ん。
決勝は決勝で別だからね。いろいろ盗んじゃうよ!
DAY4 part1 ⇒