2002年 ホンダワンメイク エントリーシリーズ第4戦


開催日  2002年 9月15日   
開催地  仙台ハイランドレースウエイ
車両   280 エモンNTC DL VTEC EK
参加台数 6台   出走台数 6台 

 9月15日、ホンダワンメイクエントリーシリーズ(旧シビック東北シリーズ)第4戦が仙台ハイランドレースウエイで開催された。前回初優勝のクラゴンが今回は不調、予選では4位に沈んだ。マシンセッティングを変更した決勝は一転速攻に転じ、スタートで失敗しながらも2位に僅差の3位でチェッカーを受けた。シリーズポイントでは依然としてトップを堅持。チャンピオン決定は最終戦にもつれ込むこととなった。


第4戦の舞台は今年最後の仙台ハイランド。好調だった第3戦の勢いを維持してきたいところだったが、土曜のテストではオーバーアンダーの不安定な挙動が収まらず、なかなかタイムを上げられない。

ベストタイムは2分5秒53でbT8に次ぐ2番手。第2戦と比較すると圧倒的に速いタイムなので、第2戦のように何かがおかしいということではないが、今ひとつセッティングが煮詰まらず、タイヤの消耗も比較的激しいようだ。

仙台ハイランドは小さいヘアピンが連続するテクニカルコースで、マシンの旋回性がタイムを左右しやすい。そのためリアタイヤに使い込んだものを使用していたのだが、これが裏目に出た。旋回性を良くするはずが非常にピーキーな挙動を示し、コーナー進入スピードを遅くしなければならない。するとフロントタイヤのみに頼って曲がることになり、タイムも出ず、タイヤも消耗することになる。

セッティングの方向性をつかめたところで土曜は時間切れ。予選では大幅にセッティングを換えることになった。


9月15日 予選

 予選開始はいつもより早い9時30分。前夜から降った雨は止んでいたものの、路面はウエット。それも時間が経つごとに乾いていく難しいコンディションだった。予選時間はわずか15分。1周するのに2分以上かかる仙台ハイランドでは、タイヤを交換している時間はない。
 15分では乾ききらないというチームの判断でレインタイヤでコースイン。2周タイムアタックし2分14秒482をマークした。この時点で2番手のタイムだ。しかし、ここから路面状況が徐々に好転。14分を経過してから周囲が軒並みタイムアップし、クラゴンは4位で予選を終えた。

クラゴン
「始まる前から、最後はスリックなるかも…と思っていましたが、冷えたスリックタイヤのウオームアップを考えると難しい判断でした。結局、賭けに外れてしまいましたけど、これは時の運。リアタイヤを交換したのが決勝でどう出るか、その確認を出来なかったのが辛いですね。レースの中で対応していくかないでしょう。いつも通り何とかします。


9月15日 決勝
 
 ポールポジションはシリーズ2位のbT8。予選2位のbQ0、3位のbP9はチャンピオン争いには無関係だが、最低でも3位以内には入らないとbT8とのチャンピオン争いで不利になってしまう。こうなるとレースの全てがシリーズタイトルに関係してくる。

 スタートはクラゴンにしては珍しく失敗。エンジンストール寸前になり、順位を5位に落とす。しかしこのまま黙っているクラゴンではない。1周目、予告通りスクエアコーナーでbP9をパス。順位を4位に戻す。続いて3周目に3位のbQ0とテールトゥノーズに持ち込み、テクニカル区間のヘアピンでミスに乗じてインを刺す! そのまま並走して最終コーナーへ。最終コーナーではbQ0が有利なイン側にいる。クラゴンはアウトからブレーキング勝負すると見せかけ、コーナー立ち上がりでわずかにオーバーランしたbQ0のインへ。ストレートで3位に浮上! 2位は良いスタートを切ったbQ2だが、2台を抜いたタイムロスで3秒ほど間隔がある。ここで、前がクリアーになったクラゴンがスパート。トップのbT8に肉薄するタイムを出し、1周につき約1秒ずつbQ2を追い詰める。 
 7周目、ブロックするbQ2をテクニカル区間で追い詰め、一瞬のフェイントをかけインへ! 2位に浮上。立ち上がりで並びかけられたが、次の最終コーナーはクラゴンがインだ。しかし、ギアが2速に入らず再度bQ2の先行を許す。その後もbQ2を攻め立てるが、急なセッティング変更によって強いアンダーステアが発生。3位でチェッカーフラッグを受けた。2位との差は0.27秒。悔しい2位だった。


クラゴンのコメント

「SUGOでは最高だったマシンがハイランドに来て、また合わなくなりました。タイム差から、セットで対応出来る範囲内だと思われるので、セッティングを合わせ切れなかったのが敗因です。それにして今回はすべての流れが悪かった。土曜はマシンの変更点を失敗し、予選は賭けが失敗。決勝ではアンダーステアなのに土曜日のテストより明らかに速い。土曜日にリアタイヤを換えて、セッティングでバランスを取っておけば、決勝でトップ争いを出来ただけに残念です。それでもレースではしっかり2人抜いてなんとか3位。レース強さとタイヤに優しいドライビングは出来ました。次回は最終戦のスポーツランドSUGO。2位でもチャンピオンにはなれますが、もちろん優勝狙っていきますよ。」