ドラテク金言・至言集

とかく練習や経験が大切と言われがちなドラテクですが、自分が得た経験だけに価値があるわけではありません。多くの練習や経験を積んだ偉大な先人たちの言葉に耳を傾けてみましょう。


選者…自動車体感研究所 藤田所長
解説…
藤田所長 クラゴン

「道具は、下手な自分から目をそらさせる魔物である」
by運動科学総合研究所 高岡英夫所長

所長解説:クラゴン部屋の'部屋是''部屋訓'にしたい至言だ。
クラゴン解説:その通り!


「(ドライビング)テクニックに差がつくのは、直線から旋回に入るところ、旋回中の加・減速、そして路面μやRが一定ではないコーナリングの"過渡領域"である。そこでコーナリングの中で"定常的な部分"を増やし、クルマが不安定な"過渡的な部分"をなるべく減らせば、それが簡単かつ安全に走る最大の近道となる」
by中谷明彦選手

所長解説:「ローリスク・ハイリターン」がクラゴン部屋のモットー! ドラテク向上にも'コスト理論'を取り入れる必要がある。
クラゴン解説:親方走見経験者にはこの意味がわかるでしょう。安定しているから速く走れるんです。


「(サーキットで)タイムを出す一番のコツは、直線を速くすること」
by松田秀士選手

所長解説:理想はコース全域で速くなること。しかし相反する部分がいろいろあるので、全部は一度に速くは出来ない。だから優先順位を考える必要がある。優先順位は、影響する区間の長さで考えれば一目瞭然。コーナー脱出から、次のブレーキングポイントまでの、'直線'を速くする工夫が最重要なのだ。
クラゴン解説:優先順位を知ることで、どんなサーキットでも迷わず攻略できます。


「ブレーキングを失敗したら、コーナリングの8割は失敗」
by清水和夫選手

所長解説:たとえば1周2kmのコースでブレーキング区間の合計は何mあるか? パーセンテージでいえば、10%からせいぜい20%程度しかないはず。だったら前記のコスト理論からいっても、ブレーキングは冒険よりも確実性を重視! 大失敗すると、8割どころか10割の失敗に……。1周の平均点を上げるのがキモだ。
クラゴン解説:加速はやめられるけど、減速はやめられない。ブレーキを攻めるのは、タイムアタックの最後の1秒を詰めるときだけです。


「街乗りで運転が荒いヤツは、サーキットでもラフ」
by大井貴之選手

所長解説:いい言葉です。荒い運転は荷重変動の大安売り!
クラゴン解説:街乗りでダメなら、より緊張するサーキットではさらには荒いドライビングになるでしょう。ドラテクは一般道でも磨けるという言葉です。


「荷重移動と荷重変動は似て非なるもの。荷重移動は、ドライバーが意図的にスムーズな運転のために起こす動作。一方、荷重変動はドライバーの意に反して起こってしまう、起こしてしまうものである」
by黒澤元治御大

所長解説:「タイヤと路面の関係だけなのです」という名言でも知られるガンさん。ガンさんの名言だけで、このコーナーを生めることが出来るほど、薀蓄あるお言葉が多いお方です。
クラゴン解説:「ドライビングから摩擦円が見える」ガンさんです。ニュル車載はほれぼれするばかりです。


「(ステアリングは)切り足すことはあっても(立ち上がりまで)戻すことはない」
by谷口信輝選手

所長解説:フロントタイヤにかかっている荷重は、旋回している限り抜きたくはない。でもコーナーの途中でステアリングを戻すと、そのフロント荷重が一気に抜けてしまう。荷重が抜けると曲がらなくなるので、再び切り込むと荷重'変動'が起きて、クルマが不安定になり、コントロールが難しくなる。結果として、アクセルを開ける時間が短くなる、という悪循環に…。解決のキモは、'無加速スロットル'とその応用!!!!!!
クラゴン解説:自分でも気が付くまで時間がかかりました。「コーナー立ち上がりにかけてステアリングを戻していく」というのは理想とされていますが、ドライビングの本質から考えればそんなもんは枝葉末節。タイヤの使い方を知らないドライバーの言葉でしょう。無加速スロットル状態から加速していくのが、最もクルマが安定してアクセルを踏める状態です。NSX車載映像で要チェック!





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