F1日本グランプリ 被害者の皆様へ

2007F1日本グランプリ被害者の皆様へ

はじめての方ははじめまして、ご存じの方はいつもありがとうございます。クラゴン部屋親方兼レーシングライバーのクラゴンと申します。

まずはじめに、富士スピードウエイで開催されたF1日本グランプリ(2007 FIA F1世界選手権フジテレビジョン 日本グランプリレース)で被害に遭われた皆様に、レース業界に関係する者としてお詫びとお見舞いを申し上げます。


ここでの「被害」とは、具体的な損害だけでなく、望まないスタイルでのF1観戦(サーキット内だけでなく、行程、移動手段、宿泊も含めて)を強いられたことも含めています。その意味では、金曜のみ観戦した私自身も被害者のひとりです。

・バスでの移動費用まで強制的に負担させられる高額なチケット。
・場内での貧弱かつ高額な食事。
・完全に不足していたトイレ(金曜の時点で鈴鹿の決勝終了直後に近い状態だったと記憶しています)。
セッション終了まで指定席にいたら、絶対に間に合わない帰りのバス出発時間。
・地面に置かれた横断幕(この時点では横断幕禁止とは夢にも思いませんでしたが)


そして「バス地獄」と評される熾烈な環境でのバス行列。金曜のみ観戦だった私は遭遇しませんでしたが、クラゴンのレースを応援してくれるモンツァ会のみなさん、クラゴン部屋の弟子のみなさん、タミヤグランプリ仲間など、その場に居合わせた観客の中には、私の直接の知己が含まれていました。


その惨状はネット上にアップされていますので、ここでは申し上げません。

鈴鹿のF1開催に際して、周辺の道路状況など考えれば、全く問題がないとは言えません。ただし、その全てに自分で選択する余地があり、F1の楽しさを考えれば許容範囲といえるものでした。個人差はあるにしても、少なくともクラゴン本人と同行してくれたみなさんは、同じ感想でしょう。

富士での開催はまだ1年目。5万人収容のGT選手権での混雑や、鈴鹿に比べて悪い立地条件を考えれば、よほどの事態があっても「1年目だから」と、目をつぶるつもりだった方がほとんどだったでしょう。

そのほぼ全員があまりの惨状に憤慨し、現地の惨状をよそに「来年は」という幹部に憤慨し、終了後の対応に憤慨しています。身内ともいえるレース専門誌で「バス地獄」の特集記事が組まれ、マガジンXの2008年1月号では「日本GP被害者の会設立」という記事も掲載されました。

これは広い心を持ったモータースポーツファンですら、許容できる限度を大幅に超えたお粗末な運営と、レースから2ヶ月以上が経過した現在まで、観客のみなさんが謝罪を受けたと感じる形での謝罪がないことを示しています。その意思もないでしょう。なぜなら観客のみなさん、いや、オレたちは、もうお金を払い終わったから客じゃないんですよ。

その上で何を求めるか。



オレは謝罪も返金もいりません。そんなに難しいことも言いません。


F1開催権を即時返上して、オレたちのF1を返してください。



クラゴンは鈴鹿でのF1日本グランプリ開催を熱望しています。



2007年12月

クラゴン部屋親方兼レーシングドライバー

クラゴン