スポーツドライビングの本質 |
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2011年は本質力の年ということにして、早速気合いに入るヤツ行きましょう。 すでに偉大な先人が語られた後ではありますが、なんかイイ話を思いついたので。ドライビングにおけるスポーツとは何ぞや、という話です。 スポーツというとマラソンは走る、サッカーはボールを蹴る、テニスはボールを打つ、野球は投げるのと打つのと両方か。いずれも人間の「出力」は無視できません。だからまず人間の運動性が高くないとダメでしょう。野球は球のスピードだし、ゴルフだとヘッドスピードとかいうじゃん。 ではドライビングにおけるスポーツとは何か。 結論からいうとクルマに高い運動性を発揮させることでしょう。 スポーツドライビングは「スポーツ」が勘違いの元で、モータースポーツでも「スポーツ」と名前がつくから、人間の運動性のスポーツだと思っちゃうんだよね。ハンドルを切る速さ、握力、ペダルを踏む力、ある程度は必要なんだけど、その筋出力を競うスポーツではないわけです。おっとこれ以上はクラゴン部屋のアレだ。 例えばハンドルがアホみたいに重いレーシングカーで、「スポーツなんだから体を鍛えなさい」なんてのは、ドライビングというスポーツをまるで理解していないレベルだといえるでしょう。もちろん程度はあるけど。 高い運動性を発揮しているクルマは、自動的にコーナリングスピードも速くなります。だから、言い換えるとクルマを高い速度で走らせるようにコントロールすることが、スポーツドライビングだといえるんではないですかね。 この場合の速くというのは最大限の効率を持って可能な限り速く。だからコーナーのどこかで速くても、結果としてトータルで遅かったらそりゃ最高の運動性を発揮させたとはいえんでしょう。峠でブレーキランプをつけないなんてのは、スポーツドライビングから遠いわけです(笑)。 よくいわれる「立ち上がり重視」のドライビングは、多くの場合で進入が遅いからスポーツ度は低い。V字のラインも、場合によっては確実に効果がありつつも、やっぱり場合によってはスポーツ度は低いわけです。なんたって速度を下げるのが前提のドライビングですから。 V字ラインは運動性を使い切らないところにメリットがあるので、リスク回避という意味で初心者にはとってもオススメできるんだけどさ。 ただ、真の心で白状すれば、オレのラインはどんどん円になりつつあります。 クラゴン部屋でやってるのも、つまるところ全てがクルマに高い運動性を発揮させることです。 ブレーキングがちゃんとできなきゃ加速もできない。スキッドコントロールができなきゃ速度を落とすしかない。運動性を発揮させるには、限界を知らなきゃしょうがないですから。 だからクラゴン部屋は初心者も上級者もヘチマもなく、おりゃー走るどー! で行けます。「どこまでできるかの差はあっても、初心者向けのドラテクはない」という言葉(byオレ)は、クルマに高い運動性を発揮させるという目標に対して全員が同じ立場であるからです。 初心者に必要なのは失敗したときの安全性だから。 同じことをオレはニュルでやってるだけなので、弟子のみなさんと立場が違うわけでもありません。到達している位置がちょっと先なのかな。だからクラゴン部屋は「アレをアレする」とかがドッギャーンと出てきてしまうわけですな。 アレをアレするのは、この話でも極め付けだね。今年もやることに決定しておりますので、みなさんお楽しみに。 |
ちょっと切り口を変えて、フェッテルがチャンピオンになったのは、やっぱりこのスポーツドライビングの本質の部分で勝っていたからでしょう。 フェラーリの作戦がとか、ウエバーが囮だったとか、そういうレベルじゃないんですよ。単純にフェラーリが速ければ、ペトロフもニコも料理してごっつあんするのは何も難しくなかったはず。そこを無視して「ピットストップ後のペースがアレなら、作戦が・・・」というのは愚かなことです。 普通のファンはともかく、そういう認識じゃいけない人はいるよね。人間を超えるフェッテルの変態っぷりを見ずに、フェラーリが作戦を失敗してチャンピオンを逃したとかいうのは、ド素人を通り越して世界変態チャンピオンに対する冒涜ですらあります。そういうレベルでやってねーんですよ。 だいたいあんなに遅いって知ってたらフェラーリだってやるわけねーから。わからないからやっちゃうんだから。そういう意味ではアロンソの予選ブッ込みアタックがやりすぎだったんでしょう。チームが作戦をミスるくらい速いアロンソはやはりド変態です。 大切なのはただただ速いこと。ドライビングの本質に最も近い部分を体現したフェッテルがチャンピオンになったのは、まさに宇宙の意思というべきでしょう。 あんまり上手くまとまってないけど、わかる人にはわかるかな。わかんないときはクラゴン部屋のときに聞いて下さい。 |