2008年最後のあいさつ


もう軽く年が明けてますが、2008年についてもいっちょまとめてみますか。

2008年を表す言葉は
完全勝利。

ニュル24時間レースで表彰台に乗り、ニュル挑戦第2弾としてBMWM3でADAC Barbarossa Preisへ出場を果たし、しかも中止になり(笑)、ニュル展をやって、DPCOTYもやって、クラゴン部屋も超バリバリ! やりたい放題の1年でした。

でもやっぱり無事終了が一番! 無事に終わったからこそ各種プレイもネタですむわけで、でなきゃ応援してもらった人につまらん思いをさせてしまいますから。レースの結果に関してはともかく、人に応援してもらうドライバーとして、楽しんでもらうために最低限必要なことは、オレ自身が無事に終えることだとオレは思ってます。だからダメだと思ったときにはアクセル戻すし、どーでもいい順位でクラッシュするヤツは大っキライです。行くときゃ行くけどね。

今年のニュルはホントに危険で、夜+雨+スリックの第1スティントはマヂで死を意識しました。これは死にそうとかいうレベルじゃなくて、次のコーナーで誰が死んでても何の不思議もないという意味で。次の周にはオレがそうなってるかもしれない、あの感覚は説明のしようがないな。

しかもそこにオイルを撒いたヤツがいて、雨に濡れて黒い路面の黒いオイルを避けながら走るなんて、人間業じゃねえですよ。「コレで踏んでくのがオトコなら、オレはオトコじゃなくていい!」と思ったし、同時に「こりゃ走ってりゃソコソコの順位に行くな」とも思ったっけ。そして「皮算用ができるくらいなら大丈夫だな」とも思いました(笑)。

そのスティントでSP4クラスの他の人が12分後半〜13分台で走ってるときに、オレだけ11分台後半で走ってたわけですが。

それこそ細胞反応制御系で乗ってたのが自分でもわかりましたよ。だって考えて反応しても間に合わないんだから。自分でも何でマシンを立て直せたのかわからない瞬間がいくらでもありました。

そんな状況を生き残ったからこそ、表彰台に乗る資格があったんじゃないかと思います。ニュルの準優勝はドライバーとして一生の実績になるでしょう。それも排気量の小さいSP1やSP2ではなく、メルセデスやBMWを相手にするSP4ですから。

苦労に見合った快心のレースでした。


あとはフレパーモータースポーツのマニュエルに「プロ認定」をされたことかな。

「今年はニューカマートレーニング走ってないから、ちょっと多めに練習させて」と言ったときに「オマエの速さだったらもうプロフェッショナルなんだから、練習なんかいらないだろ」と言われました。実際に練習どころかいぎなりセットアップの話に入ってしまったわけで、マニュエルの言った通りでした。

以前、あの御方に「ニュルを100周以内に攻略したらプロだな」というお言葉をいただき、奇しくもというべきか必然というべきか、100周突破目前にしてニュルのプロ認定ゲット!!

じゃあもっといい条件にしろって気もするんだけどさ(笑)。でもわけのわからんヤーパンを乗せてくれるだけでも十分な協力だと思うし、プロ制度の確立してないモーターレーシングにおいて、唯一意味のあることは腕を磨くことだとオレは思ってます。

そのために金と時間を使う価値がニュルにはあります。

人間なんていつ死ぬかわかんないんだから。やれるうちに無理してやりたいことをやるべき。2008年は明確にそう思いました。やりたいことで死にそうになってるオレはどうかと思いますが(爆)。


クラゴン部屋についても変化のあった1年でした。

四季場所にしろもてぎにしろ、ハッキリとしたテーマを打ち出して開催してみました。その結果として簡単ではないときもあったような気がするけど(爆)、みんなよくついてきてくれたと思います。いずれ知ったほうがいいことなら最初から知ってるほうがオイシイわけで、上達に従って知ることも大切ですが、あとで「あのときクラゴンが言ってたのはコレだったのか!」と気付いてもらえたりしたらいいなと。

クラゴン部屋の場合は初心者といっても、モチベーションもあれば理解力もある人ばっかりで、どこかで聞いた話とか、初心者にはこうですよ、という内容は失礼だと思ってます。

そもそも初心者向けのドラテクなんか何もなくて、初心者に必要なのは安全なコースと広いエスケイプゾーン。初心者だったらアクセルやステアリングが雑でもいいか、フルブレーキングができなくてもいいかって、そんなことはないし、できるようになりたくて来てる人には、できるように指南をするべきでしょ。

でも、できなきゃいけないなんてことは全くなくて、フルブレーキができない人には時間いっぱい付き合いました。だからできないことを気にする必要はありません。オレができる人のハードルをどんどん上げてきゃいいだけだから(笑)。

敷居と安全性は高く、料金とオレの腰(笑)は低い、そんなクラゴン部屋でいいんじゃないでしょうかねえ。みなさんはそんなこと気にしないで、来たい時に来てくれればガッツリと指南をしますぜ。

ともあれ、弟子のみなさんには必殺のグダグダ進行にご協力をいただき、パイロン並べにもご協力いただき、本当にありがとうございました。おかげさまで2008年もオトコゼロ! 走行会に行けば、ひとりふたりは大オトコを見つけるのが簡単なことを考えると、つい自慢したくなる実績です。

それもこれも弟子のみなさんの真摯な取り組みの賜物でしょう。こちらが助けられてばっかりです。


今は100年に一度の不景気といいますが、100年前といったら第1次世界大戦よりも前。戦争中よりも厳しいなんてことがあるのかね。半年前にガソリンの値段がレギュラーでリッター100円を切るなんて言ったら、頭がおかしいと思われたでしょう。今の状況だけで2009年はもっと厳しいというのは、ちと早いとオレは思います。

こんなときほど楽しみがなくちゃ生きていけないし、楽しいことができるのは生きてるうちだけ。ちょうど仕事も少なくなるでしょうし、この2〜3年くらいちょっとだけ自分に素直に生きてみるのもありかもしれません。

2〜3年ホドホドに仕事しながら軽く遊んで、景気が回復してきたときに「じゃあ仕事すっか〜」ってバリバリモードに復帰したら、完全に勝ち組だな。

オレはレースもクラゴン部屋も、メーカー系スポンサーがついてるわけじゃないので、何の問題もありません。いつもハデな話にならないし、ハッキリ言って負担も多いですが、こんな状況だからこそ、その積み重ねが活きます。

特にクラゴン部屋はやるかどうかのみ。自分で決めればそのまんま決定です。というのもクラゴン部屋だけで完結するようにしているから。人の財布に頼れば言えることが制限されます。それがイヤで頼らなかったんだけど、こうなると完全勝利への第一歩としか思えないな(笑)。

これでレースで国内のシート争いが激化、というよりシートそのものが激減して、オレのニュル挑戦が続けば2009年はイタダキマンモスです。

ニュルにひとりで行けるし、現地チームとの交渉も手配も全部ひとりでできる。そんなドライバーは他にいません。向こうのチームがコケたら困るけどさ。そのときは念願の観戦に行けるな(笑)。でも中止になった第2弾の返金分を貯金してあるから足して1回は乗れるかな。

どうなるかはわかりませんが、2009年もクラゴンの活躍にご期待下さい。



1年間応援ありがとうございました!
2009年もよろしく!!



2009年もみなさんとオレにいいことがありますように。



2009年1月4日23時51分
クラゴン部屋親方兼レーシングドライバー

クラゴン